日本語教師の日記

忘れてしまいたいけど、忘れたら成長できないので恥を忍んで書く日記

【大反省】初級における板書は命綱!

新しい年度が始まって ゼロに近い初級を受け持つことになりました。

とは言え国で勉強してきている学生もいるので

本当に何も分からない人ばかりというわけではありません。

 

初めての授業は「Vます」「Vました」でした。

みんな概念はすぐにわかるのですが、文にするとなると

なかなか大変です。

 

絵カードを見せると一生懸命言おうとするのですが

さっき習った言葉がすぐに出てきません。

これが普通の状態。

さっき、先生が書いたあれを見なくちゃ!とみんな板書を頼りに頑張ります。

 

自分の書いた板書がみんなの命綱になっているのをヒシヒシと感じます。

で、自分の板書を振り返ってみると・・・・

かなり残念な仕上がり。失敗の原因ははっきりわかっています。

私の今までの板書計画

教案の中に、どう板書するかを入れ込んであります。

私の場合はiPadのフリーボードで書いたものを

切り取って教案の一コマに貼り付けてあります。

色の使い方、ちょっとしたイラストなどすべてそのまま板書します。

 

教案は基本的にパソコンで見ているのでスペースなど気にせず

どんどん貼り付けていきます。

追記板書も順を追って記録しておきます。

うん、これで完璧と思っていました・・・

 

書くだけじゃない!いつ消すかも考えないといけない

私の失敗はズバリ

何を書くかは決めていたけど、ホワイトボードにどうレイアウトするかは

まったく考えていなかったのです。

だから、消すタイミングも考えていませんでした。

 

記憶って、ああ、あのあたりに書いてあったなあと

位置で覚えていることが多くあると思うんです。

だからこそ、大事なもの、ちょこちょこ見たいもの、それらを

効果的に配置していかないといけないとやっと気がつきました。

 

まずは枠を書いてから板書計画

というわけで、まずは大きな長方形を書きます。

これがホワイトボード全体です。

教室によって大きさや、縦横の比率も違うのでそれらを考慮することもできます。

 

代表となる例文

文型の形と意味

を大きく書きます。信じられないくらい大きく書きます。

そう意識していないと大きく書けないので

信じられないくらい大きく書く と心に決めています。

 

ホワイトボードの端っこはちょっと出てきて単語をメモ

平叙文

疑問文

そして答えるときの形

後で代入練習するときの命綱になる部分を書き足していきます。

 

一つの文法、1枚の板書でまとめる。

これ、本当に難しいです。

最後には板書を見ないで言えるようにしないといけないし。

その辺のテクニックなんてまだまだ全然できません。

道は遠い・・・

 

 

 

 

【文型】〜場合は

みんなの日本語45課「場合は」

本日、2度目です。リベンジです。

前回は「場合は」を勉強するのに、導入やら接続確認やら

ありとあらゆる場面で「場合は」を使い反省しました。

 

 

tatatatakokoko.hatenablog.com

 

 

今回、私が注意したこと。

1 「場合は」はあまり良くないことが起こった時に使う

2  日常で起こりうる場面を考えて学生が困った時のことを話す

 

そして今回の授業で足りなかったことが以下の通り

ダメ1 後件は解決策と勘違いしている学生がいた

ダメ2 結局 「〜とき」と何が違うんだ?という疑問が湧いたころで授業終了

ダメ3  熱がある場合 熱が出た場合 えええ??どうして??

 

 

順を追って整理します。

 

1「場合は」あまりよくないことが起こった時に使う

学校におくれる場合は 連絡してください。

学校に行けない場合は 連絡してください。

在留カードをなくした場合は 連絡してください。

この3つの例文を提示して、どれも嬉しいことじゃないよね。と

説明しましたが

 

いくつか起こる可能性のうちの1つ

というニュアンスを出した方が良かったような気がします。

色々ある可能性の中から一つのことを言う時、

それは何かしらアクションが必要なことを言うので

結果、ちょっと悪いことだったり、アクシデントだったりします。

 

2  日常で起こりうる場面を考えて学生が困った時のことを話す

 

火事の場合は、交通事故にあった場合は 

起こる可能性が低すぎました。

そんな番号覚えたって、日本語話せないし。

スマホの充電がなくなった場合は 

とか

財布を落とした場合は とか

もっと起こりそうなことを考えた方がよかったです。

 

そしてここからが私の猛烈な反省です。

 

ダメ1 後件は解決策と勘違いしている学生がいた

そうとも限らない。

その場合は とか この場合は とか

それぞれの時にどうするかを述べるだけで

それに対する解決策を言うという文型ではないんですよね。

でも、みんなの日本語の文型が 後件=解決策

もしくは 後件で「どうすればいいですか?」の練習があるので

そう理解されてもおかしくありません。

 

熱がある場合は学校を休みます。

せきが出る場合はマスクをします。

熱がない場合は学校にきてもいいです。

こんな感じでそれぞれの「場合は」みたいにして作ってもらってもよかったのかなと反省です。

 

ダメ2 結局「〜とき」と何が違うんだ?という疑問が湧いたころに授業終了

辞書形とた形を使い分けるために

____とき_______

の復習をしました。

家を出る  とき いってきますと言います

家に帰った とき ただいまと言います。

みんなの日本語23課なので楽しんで復習しました。

で、その後にもう一度「場合は」を練習。

練習しているうちに、あれ?「とき」でもいいじゃん感が出てきてしまいます。

実際、みんなの日本語に出てくる例文は全て「とき」に置き換え可能です。

 

最後に「場合は」使える?クイズを3問出して

場合はに置き換え不可能な例文を出しました。

実際に起こったことには使えない。

現実不可能なものには使えない。

ラッキーなことが起こった場合 には使えない。

↑使ってるじゃん!笑

 

「〜とき」置き換えについてはこれ以上つっこむと教師の説明が長くなるので

できれば避けたい、でも説明も必要。悩むところです。

 

ダメ3  熱がある場合 熱が出た場合 えええ??どうして??

 

熱がある場合はお風呂に入らないでください。

熱が出た場合はお風呂に入らないでください。

ん?わからん・・・

 

これならわかりやすい。

朝ごはんを食べる場合は連絡してください。

 連絡する→朝ごはんを食べる

朝ごはんを食べた場合は連絡してください。

 朝ごはんを食べた→連絡する。

 

私が今出せる結論は

「熱とお風呂の例文はやめた方がいい。」

 

情けない・・・

 

 

 

 

【文型】〜のが 〜のは 

みんなの日本語 L38で学習する

「〜のは」「〜のが」「〜のを」

これ、学習した時はわかったつもりになる文法かなと思います。

 

みんなの日本語の場合は 後件がかなり固定されているので

前件を少々アレンジする程度。簡単簡単という雰囲気が流れます。

しかし!活動を終えて、授業が終わってすぐに「のが」を使って話し出す学生が

どれだけいるのでしょうか・・・

正直ほとんどいないのでは・・・と思っています。

だからこそ、教室授業ではこれを意識した質問と

回答をさせないといけないんですよね。

 

先日のマンツーマンレッスンで

「階段を登るのは大変でした」と学生さんが過去形を使えなかった文を

テキストにして提示したんですね。そしたら

「この ”の” なんですか?」

と、不思議そうに質問をしてくれました。

 

文を名詞にする 「のが」「のは」「のを」覚えてますか?

お酒を飲むのが好きです。

友達と旅行するのは楽しいです。

「ことが」「ことは」と同じですね。

と話したら

「あ〜〜〜〜〜〜〜〜!今まで”こと”しか使いません」

と、とても感動していました。

 

そのあと、いくつか「の」の練習したら

とても喜んでくれました。

フリートークでも文法の練習ができるんだなあと

思った瞬間でした。

 

 

 

【文型】〜んです

マンツーマンレッスンでの出来事です。

かなり話せるのですが

先日、日本に旅行して、「全然聞き取れなかった・・・」

と意気消沈していました。

 

丁寧体ばかり練習していたから 普通体が全然わかりません。

でも日本人はみんな普通体で話しています。

みたいなことを言って嘆いていました。

 

一瞬、じゃあ、私たち友達ってことにして

カジュアルに話すことにしよ〜〜

っていうこともありかと考えましたが

いやいや、違う。

しっかりとした大人の女性だからやっぱり

そこまでカジュアルにせずにどうにか活路を見出そうと踏みとどまりました。

 

前置きが長くなりましたが、彼女が言うところの

日本人の言っていることが分からないの原因に

この「〜んです」があると気が付きました。

「泳いだんですか?」が聞き取れない時に気が付きました。

 

そのほかにも「〜てしまう」の縮約形の「〜ちゃう」が入ってくると

さっぱり分からなくなるようです。

「転んじゃったんですね」はもう全然わかりませんでした。

 

そこで、これらを文字にしてみたら

「〜んですか!」だったんですね。と気がついてくれました。

「んですか」と「ですか?」は今まで全部同じでした。と言ってくれました。

 

その後は「んですか」を少し復習

使う場面、意味、ニュアンスなんかを伝えたので

その後は上手に使えるようになっていました。

 

そして気が付きました。

私、30秒に一回くらい「〜んです」を使ってる!!

こりゃ、初級の学生にはわからない。

ティーチャートーク、改めて気をつけます!

 

 

【授業準備】時間がない!→そんなことない!

週に5日 授業をやっていると時間が足りない!

なにせ、授業準備に授業の時間以上の時間がかかるから。

 

でも、4年目のわたくし、もうそんなことは言ってられないと

反省いたしました。

 

授業準備はタイマーかけて、1文型1時間以内で終わらせる。

だって、パターン化してるんだから余裕だよね。

基本的には

導入

口頭練習(活用だの、代入だの)

使う練習(個人化の文作りだの、会話だの)

 

これだけですよ。

篠原先生がYouTubeで言ってました

8割の型と 2割の工夫って。

そりゃそうだ。その通りだって首がもげるほどうなづきました。

 

そしてゴールは明確

学生が使えるようになる、話せるようになる。

教室を出てから使いたくなる。これに尽きます。

 

次回から、自分のためにも授業準備のプロセスを簡単にまとめて

いこうと思います。

自分の頭の整理です。

【語彙】虫歯

とあるクラスの文作の時間にこんな文を作ってくれた

学生がいました。

 

「こどもの頃、虫歯は歯の中に虫がいると思っていた」

 

わかる〜〜〜。同じこと思った人いる?

いるよね〜〜〜。とひとしきり盛り上がった後

ふと、気がつきました。

ちょっと待てよ・・・このクラス多国籍クラス。

中国人1人もいないよね。

ええ?みんなの国も、虫歯は「虫の歯なの???」

 

だって、病気の歯 で病歯でもいいし

黒い歯で 黒歯でもいいし

悪い歯で 悪歯でもいいよね。

どうしてみんな「虫と歯」なの???すごい不思議〜〜〜!

 

気になったことは他のクラスでも聞いてみる

幸い、今の私はN4からN2まで、さまざまなレベルのクラスで授業を

させていただいています。

そこで、各クラスでこの話をしてみました。

一番上のクラスでは各国の「虫歯」をホワイトボードに書いてもらいました。

 

母国語でホワイトボードに単語を書くと他の学生が

なんじゃそれ〜〜難しそう!というお決まりの反応がありながら

各国の代表に その単語の意味を説明してもらいます。

虫の歯、虫が食べる歯、などなど・・・

なんとまあ、面白いんでしょう!

 

記念にホワイトボードの写真を撮ったら

私にもその写真をくださいなんて言われたりして

ああ、楽しい教室だなあ。と心の中が暖かくなりました。

 

日本語教師をやっているとこういう楽しさに出会えて

ほっこりできます。

言葉を勉強するって楽しいね。そんな雰囲気ができたのはよかったなあと思っています。

【大反省】先生の口癖

授業中、わからないことがあるとすぐに知りたくなる学生

クラスに1人いたりします。

スマホがOKなクラスならすぐに調べるし

ダメなクラスなら隠れて調べるし。

わからないことをそのままにしない態度はいいのですが

できれば、メモしておいて後で調べることにして

授業に集中した方が、勉強の効率はいいのになあと

教師としては思います。

 

今日、そんな学生が私にひとつ質問をしました。

 

ヨイショウ はなんという意味ですか?

ちょうどみんなの日本語33課。

「〜はどういう意味ですか?」をやっていたので

勇気をもって使ってくれたのでしょう。

 

発音があまりよくなくて、あまり上手じゃない学生なので

んん?何言ってるんだ?本気でわからないぞ・・・

何度も何度も繰り返し聞くうちに、私は膝から崩れ落ちました。

 

それは私がことあるごとに呟いている「よいしょっ」 だったのです。

それから意識してみたのですが本当に、しょっちゅう言ってるんです。

びっくりするほど言ってるんです。

全然 よいしょって感じじゃない動作でも言ってるんです。。。

 

その後、ちゃんと説明しましたよ。

重い物を持ち上げる時についつい言っちゃう

座るときについつい言っちゃう

そんな言葉、みんなの国にない?

 

やー だの んーー だのって言葉を教えてくれたけど

きっとあるはず。

よく探してみて!

 

授業の最後、みんな「よいしょよいしょ」言いながら帰っていきました・・・

私はきっと影で よいしょ先生と呼ばれていると思います。

 

自分の口グセ、学生が気になるレベルで言っちゃてる

これは大反省。

授業にノイズが多いってことですもんね。

教師として、常に緊張感を!と反省した出来事でした。