日本語教師の日記

忘れてしまいたいけど、忘れたら成長できないので恥を忍んで書く日記

【留学生の生活】おい!今、日本にいるんだぞ!!

会話の練習の時間です。

みんなの日本語の「会話」の部分を練習して

発表するところまでやります。

 

DVDを見て、何を言っているかを確認して

どんな気持ちかも確認します。

一応 T→学生でコーラスもします。

ここで発音をしっかり直します。

そしてペアで練習。発表はテキストを見ないでやってもらいます。

 

ペアの練習を見て回ると・・・・ 棒読み!!

いや、棒読みよりひどいです。

なんていうんですかね、最近のAIだってもっと上手に話しますよ。

「ビョインデ ミテモラタホウガ イデスヨ」

わかります?

こんな感じなんです。

長音、促音の問題だけじゃなく本当に感情もなにもない読み方です。

「エエ、ソデスネ」

なんて返事も意味わかっていってる?と心配になるわけです。

(あ、もしかして意味がわかっていないのか? 簡単すぎて意味確認していなかった)

 

ちょっとみなさん、待って待って!

一度練習を中断して

ロボット会話と、本来の感情のこもったやりとりを1人で再現します。

感情をこめて とか 本当に会話するときみたいに なんて説明じゃ通じませんからね。

少しずつ私が何がダメと言っているのかを理解してきた模様。

 

はい、それではもう一回練習!

と言ったところで簡単に演技が追加されることはないので

あまり変化はありません。

 

どうやって演技を追加すればいいのかわからないんでしょうね。

しょうがないことです。

国でもこの調子で会話の練習を続けてきたのでしょうから無理もありません。

 

今、みんなは日本にいます。国にいる時とはちがいます!!

練習の後に発表となるわけですが、その前に私は話をしました。

 

日本に来てまだ1ヶ月もたたない学生。今がチャンスと緊迫感を持って伝えました。

 

「今、みんながいるのは日本です。国にいる時とは違います!」

 

さすがにこれは響いたのか、みんな確かにそうだ みたいな顔をしています。

すぐに日本人と話します。

日本語が話せないなんて言ってられません。話して理解してもらわなければならないんです。

そんな時に今みたいな話し方でいいの?教室ならいいけど、外ではそうはいかないよ。

留学してやっと日本に来ることができてほっとしてしまったのか

「自分が日本に留学している」というごく当たり前のことを忘れたのかな。

 

その後の会話の発表は 今までよりも少し一生懸命になっていたような気がします。

 

恥ずかしがっている場合じゃない。

気持ちを込めて言う練習をもっとたくさんしていきたいと思います。