日本語教師の日記

忘れてしまいたいけど、忘れたら成長できないので恥を忍んで書く日記

【ちょっとだけ成長】先生、学生を話させる

週明け月曜日の授業はいつも

空気が重いですね・・・

なんとか4コマ終わってあと5分、時間が余りました。

 

こういう時

新人:時間があまってしまったことを悟られなように

   必死に取り繕う。

  学生はもう、早く終わってほしいからほぼその取り繕いなど聞いていない。

 

ベテラン:余った時間ごとに小ネタを持っている。

     学生もわ〜い小ネタだって感じで気楽に楽しむ。

 

そして今日の私は最後の授業にやっていた

重要なフレーズをリピートさせました。

 

しかし!今日の私は一味違いました。

「あ、時間が余っちゃった。終わるわけにはいかない、どうしよう?」

と学生に正直に言いました。

 

すると学生

「終わりましょう!」

「できれば終わりましょう!」

さっき教えた「できれば」を早速使っての猛アピール。

 

いやいやいや、そんなわけにはいかないから

みんなが聞き取れなかった文章を読みますよ!

私の後に読んでください。

最後にやっていた聴解の問題から大切な表現を読み上げました。

 

T:「先生の誕生日に”なにか”あげませんか?」

S:「先生の誕生日に”なにか”あげませんか?」

 

わたし「iPhone14がほしいです!!」

学生達「私、日本語わかりません」

「聞こえませんでした」

「私日本語全然わかりません!」と強調までいれて口々にしゃべってくれました。

 

都合が悪いときに日本語をわからないふりをする

そして強調する。これこそがコミュニケーションから学ぶやりとり。

ああ、コミュニケーション取ったなあという雰囲気で授業が終わりました。

 

こういうのが導入でできるといいんだろうなあ。

導入劇場が、SHOWにならずにコミュニケーションの場面を

切り取ったものになるように工夫していきたいなと思いました。

 

 

 

 

【ちょっとだけ成長】漢字の授業で大事な情報を追加

漢字の授業、これでいいのかなあと悩みつつやっているんですが

今日、この情報はきちんと伝えないといけない!

ということに気がついたので書いておこうと思います。

 

今日、「丸」という漢字をやりました。

丸には丸いという意味のほかに

全部、欠けることなくという意味があるんですよね。

ですから接頭辞としての丸をきちんと伝えないと

JLPTの問題に出てきちゃいます。

 

接頭辞を教える

丸なら

丸一日、丸一年、丸焼き、丸写し などなど

接尾辞として船の名前に

大漁丸とかいう名前をつけます。なんていう情報はいらない情報ですね。

言いたくなるけど。

 

接頭辞だったら

無 無関係、無意識、無関係

未 未成年、未完成、未記入

不 不自由 不参加 不人気

非 非日常 非常識 非常事態

 

こんなところでしょうか。

JLPT N2で選ばされる問題があるから注意です!

 

そうなってくると接尾辞も・・・

これはたくさんありそうなので、またの機会にまとめます!

【大反省】わざわざブログに書くことでもない失敗経験

私自身は、失敗して気がついて軌道修正するのが

自分のやり方のようです。

ですから、あれこれ調べたり

人に聞いて情報を仕入れたりして

「失敗しないようにする」ということをあまりしません。

 

実際には自然としているのかもしれないけど

まったく意識していません。

 

今日はそんな私が失敗してから気がついたことを紹介します。

あまりに些細なことでびっくりしないでください

の前置きです。

 

答え合わせは 答えを板書する

選択肢の場合もです。

◯✖︎の場合もです。

 

読解や聴解など問題を解かせて、その後答え合わせをします。

一昔前はしどろもどろでしたが

さすがに3年も経つと、どこでつまづいているかがわかるようになるし

学生に考えさせる質問だってできるようになります。

そして段々と答えに近づかせていくことができるようになります。

みんなが声を揃えて正解を言えるようになるまで

段階を踏むことができるようになりました。

 

段々と答えがわかってくるので最後の最後は

言わずもがな、という雰囲気にさえなります。

 

しかし!!

この答え合わせのプロセスでは一定量、途中からついてこれなくなっている学生がいます。

その”途中”が本当に途中の学生もいれば

最後の最後でわからなくなっちゃう子もいます。

 

今日、答え合わせが終わった後、ざわついて

「え?結局どっち?」みたいな空気が流れていました。

 

慌てて、答えを大きな声で言っても後の祭り

一度起きたざわざわは、後味の悪いものになってしまいました。

 

板書の反省

答え合わせの時、図を書いたり、登場人物を書いたり

いろいろ板書しますが

ホワイトボードの片隅には、きれいに答えを明記するべきだと

反省しました。

特に、◯✖️問題は意外にもどっちだかわからなくなっちゃうことがあります。

きちんと、問題番号と正解を書くべきだと反省しました。

 

と、驚くほど些細な反省ですが

学生側からしたら安心感あるんじゃないかなあと思えたので

敢えてブログに書いてみました。

 

 

【ちょっと考えたこと】日本語が話せるようにならない日本語学校

基本、ポジティブシンキングなので

否定的な意見とかは「何か個人的な恨みでもあるのかな」

って感じで聞き流すことが多い私ですが

よく耳にするフレーズがあって気になっていました。

 

日本語学校で勉強したのに、日本語が話せない留学生」

 

いやいや、まさか。

週5日、半日学校に行って話せないなんてあり得ないでしょ。

しかも2年間ですよ。

さすがに週5、4コマ、2年やったら話せるようになりますよ。

特別にやる気にない不良学生のことなんじゃない?って思ってました。

でも、残念ながら事実であることを知りました。

 

ただし、条件付きです。

「学校によっては 話せるようにならない日本語学校もある」です。

 

私が体験した卒業式の話

日本語学校を複数掛け持ちしているので卒業式シーズンになると

連日卒業式ってことになるんですがここでその違いがはっきりとわかります。

 

「先生一緒に写真撮りませんか?」

「先生一緒に写真撮ってください。」

「先生2人だけで撮ってもいいですか?」

なんて言う学生もいます。

嬉しいし、みんなの成長に頬はゆるみっぱなしです。

 

しかしながらある学校は

「先生、写真」

しか言いませんでした。

ちなみにN1のクラスでした。

 

日本語学校にはいろいろな留学生がいます。

どうやら進学を目指す学生は日本語学校では

日本語が喋れるようになることより

まずはいい大学(この言い方嫌いだけど)に合格することが

至上命題のようです

そうなってくると会話なんてどうでもいいんです。

JLPTに合格する、EJUで高い点数を取る

これが大事になります。

 

この違いがはっきりわかるようになった今、思うことは

『私は日本語を話せるようになる授業をしたい。』

そのためだったら一生懸命準備して、工夫して、頑張れます。

でも、それ以外にはモチベーションが低空飛行です。

学生のモチベーションも低空飛行ですし。

 

日本語教師3年目

3年の経験期間が済んだら、自分のキャリアを変えていこう

そう思う今日この頃です。

 

 

 

 

【文型】〜んですか

日本語教師になってはじめて「〜んですか」が文法であることを知ります。

そして、日本語教師になって3年経っても

未習の学生たちに「どうしたんですか?」とか

「行ったんですか?」と言ってしまっていたことを思い知ります。

 

みんなの日本語26課の「〜んです」が 多すぎるぞ!

これは導入にパンチがありますから

けっこうすんなり入ります。

「旅行に行くんですか?」

「お腹が痛いんですか?」

眠そうな学生を見つけて(こういう時に限ってみんな目がぱっちりしてる)

「眠いんですか?」

 

導入が終われば接続練習。

普通形への活用はつまずく学生もいますが

なんとか要領を掴めば次は口頭練習。

「んです」はとても言いにくいので

何度も何度も練習。FCを用意してゲーム感覚で

どんどん言ってもらいます。

 

みんなの日本語 L26はA1からA6まであります!

A3では

どうして 食べないんですか?

 ーきらいなんです。

 

と受け答えの人も「〜んです」を使って理由を言います。

 

A4では

カラオケ行きましょうよ!

 ー今日はこどもの誕生日なんです。

 

と、否定的な応答するときの理由を言う時の「〜んです」を勉強します。

このくらいまでは理由を聞く、理由を言う

その時には「〜んです」を使うんだなとわかります。

問題は次からです。

 

A5で 突然毛色の違う「〜んです」が登場

 

郵便局へ行きたいんですが 教えていただけませんか?

おいおいおい!

前置きに〜んですを使って、さらに後半でさらっと

「いただけませんか」をぶち込んできた。

もう、こんな言葉を使って道を聞かなければいけないなら

Googleマップさんに聞きますよ。

(実際に、行き方がわかりません、なんと聞きますか?

 の問いかけに Googleマップ!!!と言われてしまいました)

 

A6 〜んですが  〜たらいいですか でノックアウト

 

いくら、同じ「んです」だからってなんかもう唐突すぎません?

まあ、これが文型積み上げの教科書ですから

今に始まったことではありません。

しょうがない。

 

他の課題遂行型の教科書で見てみると

〜たいんですが

〜てみたいんですが

でお願いするシチュエーションで「んです」を学んでいますね。

 

そうだよ、そうだよ、そうしないと場面設定ですごい労力を使います。

場面設定ダイエットできるとさえ思っています。

 

この場面設定をもっと、もっとスマートにできるようになれば

学生も安心して授業を受けられるのかな。

 

たまーーーーに1課を一回で復習で終わらせる

なんて授業をやることがありますが

地獄ですね。

もう、とにかく「んです」がつけばいいや!みたいな

感じになりがちです・・・

 

【教室活動】クラス替え後、初日の活動 伝言ゲームやってみた

10月に入りました。

前期の試験結果をもとにクラス替えがありました。

成績がよくて上がってきた学生

成績が悪くて落ちてしまった学生

そして、もともといる学生

3パターンの学生が集まった総勢20人のクラスです。

 

自分の自己紹介を簡単にしてから

クラスのみんなにも自己紹介をしてもらおうかと思いましたが、

まだそこまで話せるクラスではありません。

話すのも聞くのもしんどい。

というわけで、学生の自己紹介はカット。

伝言ゲームをすることにしました。

 

伝言ゲームやります!

私は伝言ゲームを横に流すことにしました。

前から後ろに流す形でも、もちろんいいのですが

授業でペアワークをするのは隣の人です。

ですからまずは横に流す伝言ゲームをすることにしました。

 

伝言ゲームの説明は言っただけでは伝わらないので、

ジェスチャー含めて繰り返し説明します。

この時に「書いてはいけません」を言わなかったのは失敗でした。

一生懸命頭の中で覚えるということをやってもらいたかったので

書いてはいけませんを徹底するべきでした。

 

伝言する内容は

新しいクラスで私から話したかったことを伝言の内容にしました。

「教室ではまちがえてもいいです」

「授業で携帯電話は使いません」

「話さないと話せるようになりません」

↑これはちょっと難しすぎた。

 

一番最後の人は伝言した内容をホワイトボードに書いてもらいます。

最後の人は責任重大、チームメイトからツッコミありながら

がんばって書きました。

横のつながりがほんの少しできたような気がします。

 

 

これ、文章をクラスのレベルにきちんと合わせられれば

かなり面白いと思いました。

ぜひ、お試しを!

明日は縦のラインでやってみようと思います。

 

 

 

 

 

【文型】〜場合は

養成講座では未習語彙の徹底コントロール

厳しく言われました。

教師は学生が習っていない言葉を絶対に使わない。

 

これとても大切ですが、ある程度のレベル(このある程度が難しいんですが)

語彙コントロールはしないでください。

と担任の先生から言われたりします。

そりゃあそうですよ、彼らが生きている世界は普通の日本ですから。

コントロールなんてまったくされていません。

それでも自分がわかる言葉と流れでなんとか予測して理解する力も必要になります。

 

日本語教師デビューあるあるですが デビュー後

初級を教えず、初中級以上を担当することがよくあります。

私もその1人でした。

なので語彙コントロールにそれほど真剣になっていませんでした。

 

そもそも、初級で習う文型を知らない

本当にお恥ずかしい話ですが、初級いわゆるみんなの日本語

扱う文型を全部把握していませんでした。

ええ?これも文型なの?とか新鮮な驚きがあるんです。

はい、すみません。申し訳ありません。

 

というわけで、私の語彙コントロール意識は極めて低い状態でした。

 

文型の意味説明でその文型を使っちゃうあるある

文型の意味確認でやっちゃうあれです。

「〜のに」どんな気持ちですか??

そうですよね、勉強したのに(強調して発音している自分)テストができなかった

 ですよね。

って、説明になってないやん!

 

今日教えた「〜場合は」でも、「場合」連発している自分に突然気がつきます。

 

T:場合は の前はなんですか?・・・動詞

T:形は??   辞書形、ナイ形、タ形

T:動詞の他には???・・・イ形用詞、ナ形用詞

T:他は?・・・名詞

T:名詞の場合は????  N の のがつきますね。

って、思いっきり場合言ってるやん!!!

接続を間違えた場合も(まただ!)

T:もうしました。場合は???

T:形容詞の場合は?

T:その場合は?

 

もーーーーー!導入より使ってるやん!!!

 

ごめんなさい!!

もう みんなの日本語45課以前では「場合は」絶対に使いません!!!