日本語教師の日記

忘れてしまいたいけど、忘れたら成長できないので恥を忍んで書く日記

【文型】〜ことはない:誰にでも使えばいいってもんじゃない

看護師さんのクラスで N2文型をやっています。

進学クラスでは 友達とのやりとり、先生とのやりとり

そして論文での表現を視野にいれて、かたい言い方も

バンバン教えて使えるようにしていきます。

 

しかし、看護クラスで、現在介護施設などでアルバイトをしている

学生に同じことをやってはいけないと思っています。

大切なのは職場の人とコミュニケーションがとれて

かれらの心の中にもともとある優しさを日本語を使って

表現させることだと思っています。

 

今日は「〜ことはない」をやりました。

失恋した友達に

「落ち込むことなはないよ、男の人はたくさんいるから」

就職の面接で不合格だった後輩に

「心配することはないよ、また次頑張ろう」

と声をかけていました。

 

__ 利用者さんへ使うのかい?? __

利用者さん(介護施設のお年寄りのことです)が

なにか心配事があるようです、心配だ心配だと言っています。

どうやって声をかけますか?

グループワークで会話を作ってもらいました。

 

__ どうしたんですか? ___

今までいかに文型を使うかを意識していたもんで

会話の始め方が疎かになっていました。

ですから、今日はちゃんと話しかけるところから再現してもらいました。

「◯◯さん、どうしたんですか?」

 

__ まずは全グループに発表してもらいます __

グループワークに入り込んで、よくできているグループでは

「〜ことはない」ってアドバイスだよね、どう?使う?

と投げかけておいたのでそのグループは

「心配なんですね、大丈夫ですよ、私たちがいますから」

なんて会話を発表してくれました。

 

__ 目上の人に「〜ことはない」使う? __

導入でしっかりと「アドバイス」の雰囲気が強いことを伝えてあります。

「どう?利用者さんに使いますか?」

あ・・・・・使わないかも。

そうです、使わない方がいいと思いますよ。少し強い響きがありますから。

 

N2ともなればそのニュアンスの違いは理解できるので

そうかそうかと理解しました。

使うとしても「ことないですよ〜」と優しく使いますね。

これは使っている日本人がいるだろうから

間違えってわけではないことを伝えました。

 

使わないことを教えた後は、思いっきり使う場面設定をして

会話を作ってもらうペアワークです。

その会話が愛に溢れてて、わたしは感動してしまいました。

 

かれらが現場で愛されることを心から願っています。