日本語教師の日記

忘れてしまいたいけど、忘れたら成長できないので恥を忍んで書く日記

【教科書「いろどり」を使う】しばらく日本に行けないこの状況で・・

ゼロ初級クラスで使用している教科書

「いろどり(入門)」は日本で生活する人向けの教科書です。

特に入門はサバイバルジャパニーズ。

 

中国にいて、ただ純粋に日本語をやってみたいという人には

ちょっと・・・という話は、前にしました。

tatatatakokoko.hatenablog.com

 

それなら、日本に旅行に行った時に使えるね

の雰囲気でやるようにしていたのですが

ここにきて、コロナ、収束するどころか再び入国停止・・・

留学待機の学生ではない、純粋に趣味の学習者さんですから

そんなに衝撃ないかもしれませんが私の衝撃は大きかった。

 

そんな中で扱った題材が

「こちら温めますか?」

 

__ コンビニの店員さん大忙し __

まず、導入で「中国でコンビニの店員さんどんなことを話しますか?」

「・・・・シーーン・・・・何も話さないし」

なんて感じになります。

日本は違います、それはそれはたくさん話しますよ〜〜

 

「こちらあたためますか?」

「スプーンはいくつおつけしますか?」

「袋はどうしますか?」

そして支払いについてやりとり。

ポイントカードありますか攻撃がないけど、まあいっか。

 

__ いきなり聞き慣れない言い回しがめっちゃ出てくるやん! __

店員さんの「おつけしますか?」「どうしますか?」

お客さんの「大丈夫です」「Suiaで」

なになに?Suicaって。となるので、それはレアリアを用意。

乗り物に乗るカードだよ、それがコンビニでも使えるよ。

 

店員さんの「おつけしますか?」と「どうしますか?」は

どう違うの?なんて質問も飛び出して・・・

中国語で言うところの「要不要?」なわけだけど

微妙にニュアンスが違います。

 

袋は有料だから、買いますか?とは聞かずに

「どうしますか?」とソフトに聞いています。と通訳交えて説明してもらいました。

 

__ 単語が聞き取れればOKだよ! __

私が中国で生活し始めたばかりの時もそうですが 

店員「・・・カー」(多分ポイントカード)

私「ありません」

店員「・ダイズ・・・」(多分レジ袋)

私「要りません」

このやりとりだけ覚えて買い物に行ってました。

順番もこの通りだから「没有,不用」と呪文のように唱えてました。

 

__ コンビニの店員がこんなに喋ることが分かればOKだよ __

絶え間なく質問をぶつけてくる店員さんがいるということがわかれば

もう、それでOK。

店員さんも慣れてるし、もしかしたら外国人だし大丈夫。

 

日本のサービスがいいっていうのが、もしかしてこのやりとりを指すのかもしれない

と、感じてもらえたらいいなあと思いながら授業を終えました。

 

次回は、コンビニ写真を背景にして、レジ店員になりきって

復習をぶっこんでみようと思っています。

 

 

【大失敗】漢字指導で大失態

今日の失敗は今までの失敗とは明らかに違う

本当に、本当に大失敗。

 

前日の漢字テストで間違えた漢字を繰り返し練習する

という宿題が出ています。

その繰り返し練習したものを見て、ちゃんと書けているかをチェックします。

 

こうするともっとうまく見えるよ とか

この中は1本だよ とか

これは 斜めに書くんだよ とか

間違えを修正したり、日本人に理解してもらえる漢字を書くための指導です。

 

__ 間違いが多いなあは怪しいサイン __

雄大の「雄」が間違えている人が多いなあ。

左は 広いなのに・・・(はい、ここで悪夢がはじまります)

 

多くの人が間違っていると思った場合、まずは自分を疑ってください!

学生が間違えやすいポイントなんだ なんて思わずまずは自分を疑って

確認してください!

過去の自分に言いたいことです。

 

__ ああ、恥ずかしや、間違いを堂々と教えている自分 __

あまりに間違いが多かったので(本当は間違いじゃないけど)板書して

「これ、左 広いですからね。」とみんなの前で堂々と話す自分。

ヤバイヤバイ。事件は教室で起きています!!

 

その後、その日の漢字の小テストをして、その答え合わせをしようと

教室でワサワサしている時に学生が勇気ある行動に出ます。

 

__ 先生、これ・・・ __

スマホの画面を見せながら、「先生、これ」って

でっかい「雄」の字を見せられます。

ええええ??なんか違うけど!

そこで私はこう思いました。

「やばい、ベトナムのアプリ間違ってるなあ」

ひどいです。ひどい思い込みです。

でも、さすがにそれはないと思い直して授業で使ったFCを確認します。

 

ぎょぎょぎょ!!違うやん、なに、この左側・・・

 

__ 間違えたら素直に謝る __

「みなさん、聞いてください、私は間違えたことを教えました。

 申し訳ありません、ごめんなさい。

 雄の左側 広いじゃありません!

 こんな字です。*

 本当にごめんなさい、私、47年間間違えてました。

 赤ちゃんの時は書かないけど・・・すみません」

*左側はカタカナで ナ と ム を合わせたものです。

 

学生たちが、私の潔すぎる訂正と謝罪に信頼感を持ったか不信感を持ったか

それはわかりませんが。

少なくとも この漢字を書くたびに私のことを思い出すことは間違いないでしょう・・

 

__ 雄 なにこれ? __

これ、何ヘン??調べました「ゆうへん」

出ました!一番有名なやつを部首の名前に持ってきちゃうパターン

行(ぎょうにんべん)このパターンですよ。

 

で、このヘンはどんな意味なんだ?とインターネットを調べていると・・

・5人に1人が間違えているようだ

・名前に「紘」(同じものが右側にくるパターンです)なんですが

どう説明するのが分かりやすいですか?と自分の名前で困っている人がいた

・↑の質問に「糸へんに 広島の広で 伝わりませんか」という答えをする人が

 かなりの人数いた。

 

加山雄三さん、中村紘子さん、下野紘さん、苦労されているのではないでしょうか。

 

来週の授業で、この顛末をまた話して、漢字ってなんか

間違えたりしちゃって、面白いねという感じになればいいなあと思っています。

 

【オンライン授業】Kahoot!使ってみた

オンラインの聴解授業ででKahoot!という

ゲームができるサイトを使ってみました。

kahoot.com

 

実は過去に一度失敗しています。

スマホでオンライン授業を受けていて、ゲームもスマホでやるとなると

問題文が表示されていないことが判明。

学生の手元は「◯✖︎」の選択肢のみ表示なんですね

今思えば私が画面共有しているので

画面切り替えて問題見て!って言えば良かったんですよね・・

またまた慌てました。

 

で、今回はJLPT対策の教科書から

「同意する返事」「同意しない返事」というのをやりました。

私が返事を単体で読み上げます。

同意する返事なら◯(Kahoot!では「True」)

同意しない返事なら✖︎(Kahoot!では「false」)

 

はじまったら教師はひたすら盛り上げます。

「スピードも大切ですよ!」

「◯◯さん、追い上げてます!!」

「順位が変わりました!」

 

難しかったのは

「そうするしかないか」同意

「だからって」同意しない

「そこまではまだ・・」同意しない

 

まあ、文脈もなしでこれだけ聞くんですから難しいとは思います。

これができなくても全然大丈夫。

問題を聞くときに、聞き取れる確率が上がればよし!

 

これ音楽もあるし、ポップな画面だし

飲み会とかでやっても盛り上がると思います。

無料なら○✖︎問題、四択問題が作れるそうです。

操作もめちゃくちゃ簡単だから、オススメです!

【大反省】聞き返された時の対処法を教え忘れる

またまた「〜にとって」の授業での出来事。

ちょっとだけ応用して

「誰にとっても大切なのは◯◯です」を考えてもらいました。

 

「誰にとっても大切なのは&%#*です」

 

私「え?」

学生「&%#*」

私「ん?&・・・・?」最初の音だけなんとなく真似する

学生「(小さな声で)&%#*・・」

こんなのを2-3度繰り返すと周りの学生が大体助けてくれて

私「ああ両親ね」 となります。

 

(いつも思うんですが留学生は両親、家族をとても大切に思っていて

 感動させられます)

 

このやり取りで、私はやっぱり耳が悪いのかなあ

日本語教師に向いてないのかなあと落ち込んで帰路に着きます。

そして、家に帰ってからそれは違うと気がつきます(遅い!)

学生が働いているのは介護施設、私なんかよりはるかに耳の遠い

方を相手にしているわけで、そういう方を相手に

どう話していくかを教えなくてはいけなかった!

 

別のクラスでチャンスが訪れました。

また私が聞き取れなくて四苦八苦して、なんとか答えに辿り着いた後

「相手が自分の言っていることをわかってくれない時どうする?」

聞いてみました。

一番だめなのはだんだん小さい声になって、最後諦める。

みんな経験があるのか、苦笑い。

 

で、導き出した答えがこちら

大きな声ではっきり言う

言い方(アクセント)を変えてみる、ゆっくり言ってみる

他の言葉で説明してみる

単語だけだとわかりにくいから文で言ってみる。

最終、書く。いや、今の子だったらスマホかな。

 

相手だってわかりたくて聞き直しているからこちらも

手を替え品を替えどうにか通じさせなければいけません。

ぜひ、怖がらずにやって欲しいものです。

 

最後におまけの私の経験談

中国語あるあるかもしれませんが

自分の発音が聞き取ってもらえず、少しオーバーに言って

やっと通じて「ああ、◯◯ね」って言われた◯◯が私の

発音と何一つ変わらない、まったく同じと感じるんですが

あれは気のせいなんでしょうか・・・

【会話力】「も」の威力

私にとってむずかしい(日本語の)勉強は◯◯です。

これをテンポ良くクラスのみんなに聞いていくというのをやりました。

これは、捻り出さなくても普段から感じていることだから

簡単に出てきます。

 

「漢字です」「会話です」「文法です」

前の人とは違う物を言おうと努力する子、伸びるなあと感じます。

前の人とまったく同じことを繰り返す人、う〜〜〜ん、あと一息!

でもちゃんと発話できたからよし!

 

ちょっとできる子は

「漢字と聴解です」

すかさず私、「え〜〜〜ふたつぅ??」2つともむずかしいかあ。

クラスのみんなが盛り上がります、な〜〜んだ、2つ言ってもいいのかあという空気になります。

 

ここでオチをつける学生も現れます

「私にとってむずかしい勉強は全部です」

「えええ〜〜〜〜ぜんぶぶぅ??」

しっかり盛り上がります。

 

そしてクラスの半分以上聞いたところで変化が現れます

「私も漢字です」

これって、なんだか素敵じゃないですか?

私、モーレツ褒めちゃいました。

「◯◯さんが私もって言いました、前の人と同じ気持ちよくわかりました!」

日本語はあんまりできないけど、コミュニケーション能力が高い学生だったから

自信を持って欲しくて盛大に褒めました。

 

会話っていうかどうでもいい雑談ってほぼ

「私も〜〜〜」で8割済ませられるんですよ。(それはない!)

でも、「私も」の威力はすごいですよ。

共感は信頼を呼び、関係が深まるんですよ。

 

「おなかすいたなあ」「私も!」

  →ご飯食べに行こう〜〜〜

「これ分からないなあ」「私も・・・」

  →じゃあ、2人で誰かに聞いてみよう

「好きです」「私もです」

  →カップル誕生!!

 

すごいですよ、「私も」

小さなことだけど大切にしたいなあと思いました。

 

 

 

 

【大失敗】その失敗は時制なのか、それとも・・・

ゼロ初級のクラスも着々と進んできて

今日の授業は友達とお買い物に行きました。

 

A「これ、どう?」

B「わ〜素敵ですね、でも高いですね」

とか

B「おしゃれですね、それに安いですね」

 

という会話ができるようになるというものでした。

 

先日、行った補習で形容詞についても扱っていました。

みんなが知りたい形容詞を教えてねって言ったら

出る出る、めっちゃ出る。

そんなみんなが使いたい形容詞も含めて今回の授業で使えるようにしていきます。

 

ある程度練習が進んだら、オンライン授業の強みを生かして

最近買った物を見せて感想を言い合うという活動をしました。

モノを持ってこれない人は写真を見せてくれます。

 

A「これどう?」

B「すてきですね、でも高いですね」

 

この会話を聞いて思うわけですよ。

まず、値段はわからない

明らかに「高そうですね」なんですよ。

 

っていうか、買い物で感想を言い合うという課題なのに

やっていることは

買った物を見せて自慢するという活動になってる・・・

 

もう、買った物なんですよ。ああ、過去なんですよ。

過去形習ってないけど・・・

そこで私は動揺してしまいます。やべえ、もう過去に買ったやつやん!

なんならここはチャンスと「高そうですね」で様態の「〜そうです」に

一気にジャンプアップするべきなのか?チャンスなのか?

頭の中がグルグルグルグル

 

今になって思えばクリスマスに欲しい物

これから買いたい物を紹介してもらうべきでした。

11月も終わりなんだからねえ、そんな風に場面設定すればよかったですよ。

 

結局のところ、”それらを買う時”とみんな勝手に想像してくれて

「それに安いですね」「でも、高いですね」を使ってくれました。

ありがとう。

 

私の動揺とは裏腹に活動は盛り上がりました。

ヘンテコな帽子を持ってきてかぶってみせてくれて

わ〜〜面白い帽子ですかと思いきや「かっこいい帽子ですね」と言われて

その感性を否定すべきなのか、それともかっこいいの意味を改めて伝えるべきなのか・・・

 

他の人にも聞いて、別の答えが出たので感想は人それぞれ感を演出しました。

ふーーーー。

 

個人化の活動もいいけど、もう少しよく考えてからにしなくちゃいけないなと

深く反省しました。

 

 

 

【大反省】私にとって忘れられない失敗の話

文型「〜にとって」の授業での出来事です。

 

私にとって大切なものは 家族です、両親です、お金です。

外国人にとって大切なのはパスポートです、在留カードです、なんていうのも

言えるようになってから次の例文として

 

「私にとって忘れられないものは_________」

という文を提示しました。

 

大切と、忘れられないものがなんだか似ているなあなんて

うっすら失敗を感じながらも考えてもらいます。

そして出たのが。

 

「私にとって忘れられないものは財布です」

 

あ、それは忘れてはいけないものだね。

忘れられないは自分の中で印象に残っていて、忘れることができないもの

人、出会いでもいいんだよ。

みんな、人、出会いメモしてます。

よし、改めて聞こう。

 

「私にとって忘れられないものはパスポートです」

 

全然、説明通ってない・・・

よし、こうなったら、一番頼りになる学生にパスを出すしかない!

パスを受ける学生も、その役割を理解しているから

堂々と言います。

 

「私にとって忘れられないのは教科書です」

 

ど、ど、どないしよ・・・

 

学生みんなが自分たちは合ってると思っているのに先生だけが違うと言っている。

これ、本当、最悪の例文です。

 

忘れられない=思い出深いもの、印象に残っているもの、物語のあるもの

負けられない試合=負けてはいけない試合、負けたら終わり、絶対勝つ!

食べられないもの=食べることが不可能、アレルギーなど。

 

どうして、忘れられないだけ突然、なんだか抒情的なんですか?

そんな疑問が自分の中に出てきてしまいアワアワ

今思えば、もう一度「忘れられない」の言葉を分解して

忘れることができない、印象に残っているものは?と

落ち着いて聞いてみればよかったんです。

なのに、アワアワしちゃった私は、

「私にとって忘れられないのは初めて飛行機に乗った時のことです」

なんて例文を言って、ちょっと解説して撤退してしまいました。

 

例文がわかりにくくてごめんなさい、こっちの例文なら分かりやすいと思いますと

次の例文に切り替えました。

 

その後はみんなに、スマホの中の写真を見せて

「これは私にとって・・・・・」の例文を作ってもらい楽しく盛り上がりました。

今思えばこの時に「忘れられない」に該当するものがあれば

忘れられないで表現してもよかったんですよね。

 

とにかく授業中にアワアワしない。

一旦落ち着け。

そうすれば、きっとどうにかなる。